【書評/メモ】「敗者のゲーム」を読んで感じた株式投資で負けない方法とは?

review

どうも、マルネギです!

今回は最近読んだ「敗者のゲーム」という本の内容について、そこまで深くは突っ込まないけど、大体こんなこと書いてあったよ!って書評(レビュー)と自分の所感について書いて行きます!

まず、この「敗者のゲーム」ってタイトルですが、意味わかりますか?

これはミスを犯したもの(=敗者)が相手に得点を献上する形でゲームが進んでいくゲームのことを指しています。

つまり、勝者が何かすごい技を使って、相手に打ち勝つというよりも、敗者がミスをし、ゲーム続行することが難しくなることによって、勝者が決まるというゲームです。

「勝つべくして勝つ」のではなく「負けるべくして負ける」というものですね。

本の中でも(プロフェッショナルなレベルでない)テニスという例が挙げられていましたが、一応自分もテニス経験者なので、その感覚はなんとなくわかりました。

テニスってプロの試合を見ていると相手が届かないようなところにボールを打ち込んで、得点を得るんですね。

これは「相手が届かないところに打つ」という技を決められる勝者が試合の進行を握っているゲーム(=勝者のゲーム)です。

しかし、そこまでハイレベルではない人同士の試合だと、相手の届かないところに打つだけのスピードも出なければ、制球力もありません。むしろそんなギリギリに打ち込もうとすれば、アウトする確率が跳ね上がります。

じゃあ、何で試合が決まるかというと打ち合いの中で、ネットしてしまったり、アウトしてしまったりということをいかに「しないか」で試合の勝敗はつきます。

これはつまり、負ける方が試合の進行を握っているゲーム(=敗者のゲーム)です。

自分もテニスを始めたころ、「何が何でも相手のコートにボールを返す」ということを意識するよう言われました。相手のコートにボールさえ入れば、負けませんからね。

それが出来るようになって初めて、相手の取れないボールを打つことを意識するような練習へと移行していきます。思えば、これは敗者のゲームから勝者のゲームへの移行だったんですね。

ただ、この本の主題がテニスについてってわけではありません。タイトルにも書きましたが、この本は株式投資についての本です。

筆者は現在は株式取引も敗者のゲームであるという主張をしています。

つまり、株式投資に勝つ方法は何かを「しない」ことになります。

それは何か?

筆者はその答えを「損をしないこと」としています。

いやいや、何を言っているんだと思われるかもしれませんが、これはウォーレンバフェットの言う2大ルールである。

1.絶対に損をしないこと

2.1のルールを決して忘れないこと

にも通ずる普遍的なものなんじゃないかと思っています。

どうやって、「損」を回避するか細かい話は本書の内容でたっぷりかかれているので興味がある方は読んでもらうとして、今回自分があまり意識していなかった(理解していなかった)ことについて結構がっつり書いてあったので、そっちの方が印象に残りました。

それは、投資家の抱える最大のリスクは「インフレ」であるということです。

賢明なる読者の方には上の「損をしないこと」というワードで、じゃあ、貯金しておけばいいのではないか?と考えられた方もいらっしゃると思います。しかし、インフレのことを考えると「変わらないことのリスク」というのは計り知れません。

自分自身、これまで読んできた本の中にも確かにインフレというワードは出てきましたが、なんとなく意識にはぼんやりとしか残ってませんでした。

しかし、本書ではインフレのリスクについてかなりがっつりとした説明を行っており、決して他人事ではないということを痛感するとともに、いわゆる「預貯金のリスク」について考えさせられたのでちょっと掘り下げて書いてみますね。

インフレリスクとはどういうものか?簡単に説明すると、それは物価の上昇によってもたらされる、保有資産の実質的な目減りのことを指します。

そもそも、物価の上昇ってものになじみがないって方もいると思うので、少し違う話題ですが、タイムリーな例を挙げると消費税が増額しますよね。

ちょうど昨日、郵便局から郵便料金があがるってはがきが来てました。通常はがきの送料が従来62円から63円になるらしいです。

例えば、このとき、620円持っていたとします。

すると、増額前であれば、10通送れた(62×10=620<=620)通常はがきが、10月1日以降は9通(63×10=630>620=>567=63×9)しか送れません。

これ、当たり前じゃないかと思いますか?

だから何?って思った方もいるかもしれませんが、これは

持っている現金の価値が「10通通常はがきを送れる量」から「9通送って余りが出るが、10通は送れない量」に実質的に目減りしていると解釈できます。

これは消費税の影響でしたが、日本の物価は上昇を続けてきました。

例えば、ちょっと過激に見える例を出すならば、1930年の東京-大阪間の運賃は18円18銭だったらしいのです(特急料金はなかった)。

現在8750円ですよね。つまり、当時8750円持ってた人は東京-大阪間を240往復できたのに対して、現在では片道分の料金にしかなりません。

その金額を現在までタンス預金でもしてようものなら、その金額の価値は480分の1にまで落ち込んでいるのです。

このように超長期で見るとインフレというのは投資家の資産を時と共に目減りさせるものであるため、インフレの波に呑まれないためにも、インフレにのって値の変わる資産を持つことが大事であると筆者は述べています。

前にも書いた気もしますが、日本人は「投資は怖いから手を出さない」という考えの人が圧倒的に多数を占めているような雰囲気というのは感じます。

しかし、現状でいることにリスクが潜んでいないか?ということにも目を配るべきなのかもしれません。

ちょっと怖い話になってしまったけれど、より大きな視点を持って現在の自分の状況を確認することは大事なんだなと思う次第です!

もしよかったら、色んな数字についても調べてみると面白いかもしれません!

(ちょっと、今回の記事の途中に面白い数字を見つけたので、それはまた記事にしますねw)

ではでは!
(※投資は自己責任で)