【資産形成】学振で奨学金の返済を打ち消す方法を考えてみた!

2019年7月6日

こんにちは!
年も明けてみなさんいかがお過ごしでしょうか

そろそろM1の方などは就活か進学かの結論を迫られるころでしょうか?
自分もこの時期にはなんとか論文を出して学振の業績に間に合わせようとしていた思い出があります。

今回はこのブログのタイトル「自由なエンジニア」に書いた「自由な」の部分に関する記事です。
「自由な」という定義としてはとりあえず、「独立して」とか「縛られずに」ということを念頭に置き、このブログでは「経済的な自由」を確立した状態を「自由な」と表現していけたらいいなと思ってます。そこで、今回は特に博士まで進学しようと考えている人のお金事情に関した記事になります。
特に進学について迷ってる人とかの参考になったら幸いです。

理系大学では学部3年か4年の時に研究室に配属されることが多いと思います。
この時,研究やそれ以外の研究室に関わることをこなすのに時間の大半が持っていかれ、バイトを継続できないという場面があります。
かくいう自分自身も研究室配属を機にバイトをやめています。
そこで、学生たちの多くが頼るのが奨学金となるわけです。
今もおそらく変わってないとは思いますが,最もメジャーな奨学金の一つに日本学生支援機構(JASSO)の奨学金があります。

・日本学生支援機構の奨学金
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/seido/kingaku/1shu/2018ikou.html

利子がつかないということで借りるハードルが低く、成績如何では月8万8千円借りれるから頑張ってたバイトをやめる穴埋めには十分な額がもらえるということで自分の周りにも利用している人が多くいました。

しかし、利子がないとはいえ奨学金は貸与型なので成績優秀で返還免除にならない限りは返す必要があります。
その場合標準的には14年の歳月がかかってきます。ストレートに大学院を出ても返し終わるのは38歳、さらに博士に進学して、返済を延長しようものなら完済は40歳を越えます。(今は博士進学学生に関しては多少考慮してくれているみたいだけど・・・)

・平成30年度進学者から制度が拡充されるらしいです
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/taiyochu/gyosekimenjyo/index.html

ただ、利子なしでまとまったお金が入るのって結構おいしいですよね?
投資は早く始めた方が時間を味方につけられるため、その効果が大きくなります。しかも、大きくなりかたが複利のため、はじめの1歩というのは早ければ早いほどいいことがほとんど。
個人的には年齢が若いうちにこういう奨学金を受けられるのはありがたいことだと思っています。経済的な部分を支えしてくれてる分自分の時間を自己投資にも使えますし。

博士に進学した分返済が遅れるのなら、博士中で得られるお金でなんとか返済を負担にしない方法がないことかと考えた結果が本記事「学振で奨学金の返済を打ち消す方法」を書いたきっかけです。学振とは博士学生中に与えられる給料のようなものでこちらには返済する必要がありません。そして有難いことに、数年前から、金融商品の利息は特別研究員でありながら受け取っていい旨が明記されているのです。

・日本学術振興会のQ&A 設問8
https://www.jsps.go.jp/j-pd/pd_shitsumon.html

これはなんとか利用できないかと思い、1.仮に学振がとれたとして、2.修士のみ奨学金を借りてた場合、何%の利率で運用すれば奨学金の返済と釣り合わせられるかを採用開始学年毎に試算してみました。

ここで、仮定としておいたのは、
1.修士課程中は奨学金のみで生活が成り立っていた。(月々の支出が8万8千円を超えない)
2.博士に進学し、学振採用中であっても1.の生活水準に変化はない。(つまり、月11万ちょいの貯蓄になる。)
3.採用されるまでは考えない(DC2の場合は採用されるまでの期間は考えない、あくまで採用期間中の想定される貯蓄で奨学金返済することを考えます。)
という条件です。

まず、日本学術振興会で修士時代に第一種奨学金を借りていたと仮定して、月々いくらの返済額になるか見てみます。
日本学生支援機構のHPを見てみると、返済は14年に渡って定額を納め続けることで返済します。
・借りてたお金のトータル
日本学生支援機構 第一種奨学金
88000[円/月]
88000[円/月]×24[月]=2112000[円]
・月々の返済額
2112000[円]/14[年]=150857[円/年]
150857[円/年]/12[月/年]=12571[円/月]
ということで、月々の返済額は12571円です。(ちなみにこの額はJASSOのHPにも載っています。)
返済が14年ということで
1/14 = 約7.14%
なので、仮に奨学金の総額である2112000円を確保できた場合はこれを7%強で運用できれば、毎年の返済額と釣り合わせることができます。

一方で日本学術振興会の特別研究員は月々20万円の給与なので,(税金は考えていません。)
日本学術振興会
DC1の場合
月々の給与:200000
月々の貯蓄:200000-88000=112000
トータルの貯蓄:112000×36=4032000
こんな感じでDC2についても計算すると、
DC2の場合
2年間採用
2688000
3年間
1344000
となります。

88000円を月々支出すると考えた場合の総貯蓄額は
Dc1>DC2(2年目)>奨学金総額>DC2(3年目)
でした。

この時点で3年次に採用され、1年間の給付だった人は7%以上の運用が必要なことがわかります。
ではそれぞれについて必要な運用利回りを見てみましょう。
DC1
150857/4032000=約3.74%
DC2(2年目)
150857/2688000=約5.61%
DC(3年目)
150857/1344000=約11.2%
となりました。
数字見てみていかがでしょうか?
個人的にはDC2(2年目)までだったらギリギリ実現可能かなぁという気がしています。(もちろん税抜きで)
個人の住んでいる地域や実家か下宿か等々人それぞれの要因はもっと複雑だと思うので、かなり大雑把な試算でしたが(そもそも月88000円の奨学金で88000円使う人もいないと思うし...)、何かの参考になればといいなと思ってます!
現在の日本では、博士課程がなんとなく敬遠されている気もしますが、意外ときちんと試算した人と言うのは少ないのではないでしょうか?

元々数字遊びとかに強いような理系の人はこういう計算してみると楽しいと思います。
お金のこととなると思考が停止してしまうかもしれませんが、収入や支出というのは全て数字です。
単純にそういう算数の問題だと思って解いてみると結構面白かったりするので、気が向いた時にでもやってみてくださいね。

一応上で5.6%までなら実現可能といったことにもなんとなくの根拠はありますが、その辺はまたおいおい書いて行けたらいいなと思ってます。

あくまで支払わなくてよいという方法ではなく、支払う額と同額をなんとか受け取る手法の紹介でした!
それでは、また!

※投資は自己責任で

追記
↓の記事に根拠となる考え方を書いたのでよかったら見てみてね!

【資産形成】年5%という成長率